地球環境問題はリサイクル、レユース、レデュースに依るのが一番というのが世間の常識となっている。おおよそは間違っていると思わない。
山形県の山形広域下水道終末処理場(天童市)から排出される余剰汚泥が岩手県一関市の三菱マテリアルまで多大な化石燃料を使って高速道路を走り、また多大な化石燃料を使って焼却し、その焼却灰をセメント原料としている。これも立派なリサイクルであると県当局は真面目に考えているらしい。
何故地球環境が問題となっているかというと、それはこのままで行けば地球上に生存する生物が持続的に生存することが難しいということから来ている。
一方生命を形づくっている基本的な骨格は殆どがカーボン。細胞を構成するタンパク質も糖質も脂質もすべて炭素骨格から成り立っている。生命はカーボンナノネットワークそのものなのである。そのカーボンが有限であることからこのリサイクル、レユース、レデュースが始まっている。
ここからは分子生物学者福岡伸一先生からの引用となりますが、私たちの生命は還元状態にある炭素からしかエネルギーを取り出すことができない。私たちは食料も産業に使われる石油、石炭もすべて還元状態にある炭素を燃やしてエネルギーを取り出している。これらを燃やしてエネルギーを取り出した後の燃えカス、つまり酸化状態にある炭素が二酸化炭素なのである。
私たちは還元ー酸化という一方通行の営みをずーと無自覚なまま続けてきた。そして今になってようやく還元状態にある炭素が近日中に底をつくことを思い至ったのである。
一方通行を反省して円滑なリサイクルをするためには酸化された炭素をもう一度元に戻して還元状態にしてやれば良い。しかし還元するには多大なエネルギーが必要となる。しかし炭素を還元すためのエネルギーを炭素を酸化することによって得るのでは元も子もないのだ。下水道汚泥を焼却したり乾燥したりして還元することが愚の骨頂なのである。
自然界はこの営みを黙々と続けてきた。植物の光合成である。あるいは微生物の力である。太陽エネルギーを使って二酸化炭素を還元したのが石油であり石炭である。微生物の力で作ったものが酒、味噌、醤油などである。私どもが今やることは太陽光や自然エネルギー、微生物の力を借りて、少ないエネルギーでいかに炭素を還元するかにかかっているのである。
この酸化、還元と光合成のメカニズムがわからないと年間1億8千万円も使って化石燃料を燃焼(酸化)させながら高速道路を走り、さらに燃焼(酸化)させてからセメント原料に還元することがいかに愚なことであるかが判らない。さらに新庄市には下水道汚泥を乾燥させ、ペレット燃料をつくり、さらに製紙工場まで運び、そこで燃料にする工場がある。これも恥ずかしいながらリサイクル事業らしい。
さらに天童市にある山形広域下水道では岩手県へ運搬することに関して気まずいのか近日中に下水道汚泥を焼却する焼却炉を作るということになっているらしい。こんなものは微生物の酸化、還元エネルギーにて有機物の殆どが消滅させる技術が完成しているので必要ないのである。これも愚の骨頂な事業であるという。