日本人の偏見と誤解
中国産の農作物やうなぎは農薬だらけで危ない!。国産牛肉は米国や豪州産より美味しい、ふぐは養殖物よりは天然物が旨いといった定説がある。さらに浅はかなグルメ評論家がそういうので消費者もそれが当たり前であると思い込んでいる。
日本一のフグやさんが言うにはプロ中のプロでも国産の養殖物と天然物の区別が付かないという。養殖物には毒がないので本当の違いが知りたければ動物にふぐを食わせて死ぬのが天然物というしかないということになる。日本人の「舌}はかなりいい加減なのである。にもかかわらず誤った国産や天然物信仰が依然としてある。それを逆手に利用したのが国産うなぎ事件である。
最近の大きな誤解は中国産の農作物は農薬だらけという報道である。大前研一氏のレポートによれば米1kgあたりの農薬使用量を金額でみれば中国は0,16円にすぎないのに日本は12,5円で7,8倍にもなっている。アメリカは2,05円、韓国は2,18円であるので、ずば抜けて何倍もの化学肥料や農薬を使っていることになる。
このところ日本では無農薬が流行である。たしかに無農薬の農作物は農水省認定の農薬は使っていないが農薬として登録されていない農薬と同じ化学成分をもつ「薬」は使っている。そういった「薬」を使わないとキャベツは虫食い、きゅうりは曲がってしまう。それでは誰も買ってくれないので同じ効果のある「薬」を使ってしまう。
スーパーの店頭で無農薬という表示があれば消費者は農薬を一切使用していないと思い買っているが、これまた大きな誤解となっている。
似たようなうそが産地証明、あるいはトレーサビリテー。たとえばうなぎは浜名湖に1週間泳いだら浜名湖産となる。その大半はマレーシア産である。ミートホープしかり、飛騨牛しかり、国産うなぎしかりである。このように日本の食品表示は今でもイカサマだらけなのである。
日本の消費者はどのような食品であっても国産は安全だとか旨いとか、外国産は危なくまずいといった根拠のない偏見は持つべきではないのである。